沿革

 学生野球はわが国に於いて最も愛され、最も親しまれ、且つ、最も喜ばれるスポーツである。学生野球が全盛時代の昭和7年(1932)3月28日に文部省が訓令第4号のいわゆる「野球統制令」を発令した。終戦後、学生野球に関与する者にしてみれば、事ごとに文部省の指導監督を受けるのでなければ、学生野球の健全なる発達を期しえないというこは、野球人に対する重大な侮辱であった。かくして昭和21年(1946)8月に文部省と数次の会談の結果、学生野球指導委員会を結成するにいたった。即ちその任務は一方に於いては日本学生野球協会の結成を準備すると共に、他方に於いてはその成立に至るまでの間、当時旧制の中等学校(即ち現在では高等学校)以上の学生野球に関する重要事項の審査並びにその施行を指導監督することにあった。全国の旧制の中等学校、専門学校、高等学校、大学の野球部長また校長及び先輩から選ばれた委員38名は、慎重審議の上、同年12月21日学生野球基準要綱の制定と日本学生野球協会の誕生とを見るにいたった。日本学生野球協会が設立されると昭和22年(1947)5月21日文部省訓令第6号により「野球統制令」が廃止された。その後昭和25年(1950)1月22日に学生野球基準要綱を日本学生野球憲章と改正。昭和28年(1953)2月12日に財団法人に認可され、平成24年(2012)4月1日に公益財団法人に移行した。